2020年10月23日
吉岡紀彦との思い出
10月16日の金曜日。
その日は夕方から小雨がパラついていた。
吉岡紀彦の通夜が始まる時間だった。
吉岡との初めての出会いは中学1年生。
城北中で同じ部活に入った時だ。
見た目の通り明るくて人懐っこい印象。
部活の仲間は毎放課後、更に土日と一緒に過ごす時間が長いからすぐに仲良くなる。
城北中は当時県下一のマンモス校。
1学年13クラスもあったんで、当然部員も山のようにいる。
1年生は球拾いが出来ればいい方で、大半は外で素振りばかり。
割と部活はがんばった。
吉岡も積極的な方だった。
日曜の練習の日は、ある時から待ち合わせして2人だけで早朝練習をした。
朝6時くらいから、みんなが集まるまでの2時間くらい2人でひたすらラリー。
自分で上達してるのがハッキリ実感出来るくらいだった。
練習の後、2人で帰り道に色んな話をした。
今思えば、あの頃の部活が一番楽しかった。
それから中2になる時に鍋島中が創立されてオレはそっちに移る。
城北中と鍋島中、チームは分かれることになった。
学校が違っても大会では必ず会って話す。
2年の夏からあいつは城北中のキャプテンになっていた。
立派に見えたな。
なんとなく。
西高でまた一緒になったけど、オレは帰宅部でクラスも同じになることはなく結局3年間あんまり接触は無かった。
廊下で会えばしゃべるくらいで。
いつだったか、放課後の体育館で吉岡が部活やってる姿がチラッと目に入った。
あー、やってるなーって感じ。
よく分からないが、なんかキラキラ輝いてた。
なんとなく。
高校を卒業してからは会った記憶が無い。
だから2年前の卒業30周年同窓会で再会した時はちょっとはしゃいだ。
写真撮ろ写真撮ろっつって。
この1週間、その写真を結構眺めてる。
なんとも言えないね。
50年が短いかどうかなんてことは分からない。
自分がこの先どれだけ生きたいとか、そんなことも特に何も思わない。
ただ吉岡と過ごした時間が確かにあって、その時間が自分にとってキラキラした瞬間だったと間違いなく思える。
しばらくぼんやりと、そんな記憶の中を辿らせてもらった。
そんな感覚でここ数日を過ごしてた。
10月17日の土曜日。
葬儀の日も朝から小雨。
午前中に仕事が入ってた。
でもその前にちょっとだけ葬儀場に行って焼香だけさせてもらった。
だって職場の目と鼻の先なんだもの。
葬儀場が。
「近くで葬式やるからちょっと来てよ」
吉岡にそう言われてるみたいだった。
なんつって。
それから職場に入り仕事を始めた。
そろそろ葬儀が終わる頃かなあと思って窓の外を見る。
見上げた空は綺麗に晴れていた。
Posted by 西高23回生 at 09:23 | Comments(0) | 23回生
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